2周年
正確には誕生日は不明なのですが
一応、我が家にやってきた日を誕生日としています。
2007年ベビーなので、数えで3歳ということになります。
さて、だいぶ間が空いてしまいましたが
今日は、チェロが我が家にくる以前の
お話をしたいと思います。
前回の記事では3年くらい悩んだと書きました。
では、なぜ悩んだのか。
皆様は、3年という期間をどう思われるでしょうか。
勿論、ずっと考えていたわけではなく
なんとなく、3年経ったというのが正直なところです。
当時の僕は、動物を飼うということを
それは真剣に考えたのです。
実はそれ以前に、クサガメを飼っていたことがあります。
名前をブラウニーとつけて可愛がっていました。
しかし、いま思えば、最低の飼育者だったと思います。
何も知識が無く、ただ水槽にぶち込んで
温度もさほど気にせず、エサだけを与える毎日。
カメからしたら、さぞかし辛かっただろうと思います。
こういう飼育者って、結構居ると思うんです。
特に夜店やスーパーで売られている
ミドリガメやクサガメを飼っている人たち。
僕も例外ではありませんでした。
人気がある犬や猫は、買うのにもお金がかかりますし
当然ですが、飼い始めてからもお金がかかります。
でもカメは安く買えてしまうので
手をかけない?人が多いです。
日本には野良犬というものが居ないので
何ともいえませんが
犬にとって何が幸せなのか解りません。
ただ、カメにとっては、自然下で自由に生きたほうが
人に管理されるよりはるかに幸せだろうと僕は思います。
その気持ちは、今でも変わっていません。
リクガメを飼うにあたって、一番悩んだことがそこです。
海外の、気候などの環境が全然違う地域で生きる生物を
無理やり日本に運んできて
小さい箱の中で一生過ごさせる。
あからさまな人間のエゴ以外のなんでもないんです。
だから僕ら飼い主は、リクガメが本来持つ
野生の能力を押さえつけながら
管理下において生きさせなければならないのです。
でも、野生のリクガメがどのくらいの生存率なのかというと
実際に大型になるまでに多くのカメが
犠牲になっているわけです。
それが自然の摂理だといわれたら
そうなのかもしれませんが
例えば今、我が家にいるチェロが野生にいたら
もしかしたらもうこの世に居ない可能性もあるのです。
カメにとってはどちらが幸せなのか。
とても難しい問題です。
では、僕ら飼育者が何を重んじなくてはいけないのか。
答えなんて人それぞれなので
正しいものは無いと思いますが
僕は、飼育者として、そういう責任を大きく感じながら
日々の世話をしています。
ペットでも、生き物である以上
飼い主の都合で死なせてしまうのは大きな間違いです。
例えば自分の子供のように、ちょっとしたことでも
気付いてあげられる気持ちが大切です。
特にカメは、鳴いたりすることが出来ません。
状態は、毎日見ている飼育者の判断に
全てゆだねられるのです。
時には医者よりも的確な判断が出来ることもあるでしょう。
僕は、チェロが約40年生きるということで
そこにもとても悩みました。
40年経ったら、僕はその頃には70歳近い年齢です。
どちらが先に逝くかくらいの歳になります。
それでも、最後まで面倒がみれるのであれば
ずっと一緒に居たいと思って、購入に至りました。
もし100歳以上まで生きるようだったら
おそらく手にはしていなかったと思います。
自分が管理できない後のことなんて
そんな無責任なことは考えられません。
ただ、40年一緒に居られて幸せというのは
結局はそれも人のエゴなんです。
そして極端に言ってしまうとすれば
リクガメを飼うということは、非常に面倒くさいことです。
栄養配分を考えた野草を与えるために
採取に出かける時間をつくらなくてはいけないし
適切な紫外線を確保するために
高価なライトなどの設備を
定期的に交換しなくてはいけないし
温度管理などで一日中エアコンをかけることもあります。
病気になったら、保険がないので
お金は更にかかります。
それを、少しでも面倒くさいと思う人は
飼育をしないほうがいいです。
飼わなければ、全ての苦労はなくなります。
お金も一切かからないですみます。
ではなぜ、わざわざ飼うのか?
リクガメは、うんともすんとも言わない動物だけど
注いだ愛情は決して無駄にならないと僕は思います。
でも、万人に理解してもらおうとも思いません。
とにかく
チェロが生きるうえでの、全ての事情に関して
一切の責任を背負う覚悟を決めるまでに
3年という時間を過ごしたことは
今の僕にとって大きな財産であると思っています。
勿論、飼育を始めてからも
様々な面で、大きく思考は変化しつつあります。
答えはきっと、最後まで出ないでしょう。
それでも、生き物を飼うということ。
そこに真剣に向かい合う姿勢が
一番大切なんだと思います。
チェロにとっても、それがプラスになるように
これからも一緒に歩いていけたらと思います。
まだまだ未熟な飼育者でごめんよ。
誕生日おめでとう、チェロ。